訴状などを受け取った場合、そこに「訴訟費用を負担せよ」と書かれていて、相手方が弁護士に依頼した費用まで負担させられるのかと思い込む人がいます。「訴訟費用」イコール「弁護士費用」だと思われているのです。
民事事件や家事事件などの裁判所での手続きは原則として弁護士なしでも出来ます。「訴訟費用」は訴状に貼る印紙代や鑑定が必要になった場合の費用等のことで、弁護士に依頼せずに本人で手続きをする場合にも必要な費用ですが、現実的
にはよほどの高額訴訟でない限りはそれほど高額になりません。
一方、「弁護士費用」は原則として依頼した人が負担し、相手方に負担を求めることは出来ません(損害賠償訴訟では認容額の1割程度を弁護士費用に相当する「損害」として認めることがありますが、これは実際の弁護士費用額とは無関係
に定められます)。弁護士費用については弁護士費用保険や法テラスの立替制度もありますが、いずれも相手方に負担を求めるものではありません。
誤解して過大な心配をしないよう注意が必要です。
弁護士 勝田浩司
法律トピックス2022/04/08