南:令和になって初めての年越しです。新元号の発表から即位パレードと祝賀ムードの一方,消費増税や相次ぐ台風被害など悲しいニュースもありましたね。そういえば,「老後2000万」問題ってありましたね。改めてどういう問題でしたっけ?
弁:この問題は,将来このままでは現在の年金制度は破綻するので,豊かな老後を暮らすには,現役退職までに2000万円の貯蓄が必要になりますよという問題です。厚労省の役人がその旨の報告書を提出しようとしたところ,「選挙で人気がなくなるから」と政府が受け取りを拒否したことで明らかになりました。
南:ええっ,ただでさえ子ども1人を育てるのに,大学まで1000万円程度必要と言われているのに,2000万円の貯金なんて無理。
弁:今の若い人の多くが奨学金を借りていますし,親世代の面倒も必要になるので,実際には貯蓄は2000万以上必要とも言われています。
南:年金がもらえても少ないって聞くし,自分の将来は自分でなんとかしないとダメなのかなあ?
弁:いいえ,国が何とかすべき問題です。憲法には,生存権という権利があって,国が人間らしい生活を保障しないといけないことになっています。人間らしい生活を送れる年金にするために,全国で裁判も行われています。国も,一定の年金生活者に対し,年金生活者支援給付金制度を創設し,年金が一定額増額されることになりました(ただし,申請が必要です)。今後も,ご注目ください。
法律トピックス2020/01/06