弁護士法人 名古屋南部法律事務所

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法律トピックス2019/10/16

複数の会社で働く場合の労働時間?

複数の会社で働く場合の労働時間?

南子さん:私の子どもはA社で8時間働いた後、A社の指示でA社子会社のB社で毎
日さらに4時間、仕事をしています。体を壊さないか心配です。

弁護士:それは心配ですね。労働基準法では、複数の事業場で働いた場合、労働
時間は通算すると定めています(労働基準法38条)。厚生労働省のガイドライ
ンでは、通算の結果、労働基準法で定める労働時間(週40時間、1日8時間)
を超える部分に対して、残業手当を支払うとされています。お子さんはB社から
残業代をもらっていますか?

南子:もらっていないようです。

弁護士:お子さんの労働時間を記録し、事業場を特定して労働基準監督署へ申告
しましょう。未払の残業代が支払われる可能性があります。また、残業時間が労
働基準法上の上限を超える場合には、長時間残業について是正指導等がなされる
可能性があります。

南子:こういう働かせ方はよくありますか?

弁護士:最近、お子さんと同じく副業(本業の関連会社)にも従事していた労働
者の過労死が、労災と認定されました。本業と副業の労働時間を別個に計算する
と過労死ラインを下回りますが、通算すると大きく超える超長時間労働の事案で
す。現在、政府は、副業を推進するため、法律を変えて労働時間通算をやめよう
としています。これは超長時間労働や残業代未払の抜け道になりかねません。今
後の国会審議にぜひ注目してください。

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