[弁護士]森 悠
Q.テレビや新聞でたまに「預託商法」という言葉を耳にしますが、どんなものですか?
A.預託商法とは、商品や財産的に価値のある物のオーナーを募り、配当金をうたって出資金を集める手口のことです。オーナーの募集は、健康器具、地金、和牛など、様々なものがあります。表向きには、オーナーのために商品などを業者が保管し、他の消費者へのレンタルや繁殖等の運用を行い、発生した利益をオーナーに配当するとうたわれます。しかし、実際には商品は少しだけしか調達されておらず、オーナーへの配当はほぼ新しくオーナーとなった人の出資金で賄われます。このようなお金の回し方ではオーナーが現れなくなり配当もできなくなるのは時間の問題です。「そんな怪しいものに引っかかるはずがない」と思う方もおられるかもしれませんが、業者は「老後の安心のために」、「相続税対策」などと言葉巧みに、また警戒心を徐々に無くす方法で近づいてきます。実際に古くから事業を行っていて、信頼や実績をウリに募集をする業者もいます。
「何か怪しいな」と思ったときは、消費生活センターなどに一度相談してみられることが一番です。早めの相談が被害防止につながります。
(2018.9執筆)