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その他−エッセイ

TV「アタック25」 に出場!6つの教訓

竹内浩史 (元所員 2002年当時弁護士として在籍)

  私は、4月21日(日)にテレビ朝日系列で放映された、パネルクイズ「アタック25」 に出場した。
これは、児玉清さんの司会、沢木美佳子さんの問題読み上げで、4名の出場者が早押しでクイズに答え、縦5×横5=25枚のパネルをオセロゲームの要領で取り合って優勝を競うという趣向の、1975年から続いている歴史あるクイズ番組である。
私は、クイズファンでもあり、数年前からは毎週欠かさず視聴している。そして、ついに今回、出場者側になってしまった。その顛末をご報告する。

予選会は忘れた頃にやって来る

今年2月10日(日)、名古屋テレビにて当地区の予選会が開かれた。呼び出しの葉書の消印は、2月1日。応募の葉書を出したのは一体、何年前だったか。私は、てっきり抽選に漏れたと思っていた。
予選は3グループに分けられ、それぞれ数十人くらいだった。まず、プロフィールを書かされた。局側からは「趣味や得意分野はなるべく具体的に書いて下さい。なぜかと言うと、もし、出場した時に1問も答えられないと恥ずかしいでしょうから、本番では必ずその人が答えやすい問題をサービスします。」と説明された。なるほど、優しいなあ。私は、迷わず、正直に「将棋」と書いた。
続いて、記述式の筆記試験。30問を制限時間8分で解答しなければならない。局側「1問16秒と言うと短いと思うかも知れませんが、本番は早押しクイズなので、それくらいで答えられないのでは駄目です。その代わり、本番は口頭なので、漢字で書けなくても構いません。」納得。さっそく取りかかる。例えば、「現在の経済財政担当大臣は?」との問題があった。私は竹中の下の名前を思い出せずに苦慮したのだが、終わった後の会場は「塩爺の名前って何だっけ」という話題で持ちきりになった。勝ったと思った。
上位7人だけ残され、直ちにディレクターの面接。「弁護士の出場者がいないので、私が出て弁護士のイメージを変えたい」と抱負を述べた。何年か前に名古屋の同期の弁護士の事務局員が出場されたことはあったが、弁護士は本当に見た記憶が無かった。14日の消印で、早くも予選合格の葉書が来た。

収録日までの特訓

予想外に早く、それから1か月も経たないうちに、4月の収録の出演依頼の電話が入った。ディレクターによほど見込まれたのだろうか。即答で快諾した。それから、応援団を募集する一方、対策のための資料を集め、時間の許す限り特訓した。クイズの問題集を貸してくれた修習生もいた。放映日前後の記念日の問題が頻出する番組なので、それらの予想問題も作った。
たまたま、4月から番組のスポンサーが交替し、優勝旅行先はパリ・ロワール・モンサンミッシェルの旅10日間に変わった。問題の傾向も、私が苦手とする音楽や顔の問題が無くなるなど、私に有利な方向に変わった。行けそうだと思った。
ちょうど、収録直前の4月7日の放送では、大阪の若手女性弁護士が、私よりも一足先に出場したが、奮闘空しく、結局パネル1枚しか取れず敗退した。正直言って、気が楽になった。
それにしても、あっという間に収録日が来た。

リハーサルは絶好調

大阪の朝日放送に、昼過ぎに出場者4人が集合。私は緑。青が男性で、赤と白は女性。男2人は先に簡単にメークが終わったので、女性2人を待っている間、お話をした。青の男性は、約8年前にも出場経験があり、2回目だとのこと。これは強敵だ。私は、てっきり、彼との一騎討ちになるものと予想してしまった。とんでもない思い違いだった。〈教訓その1、女性を侮るべからず。〉
人物名を答える場合、日本人はフルネームでないと駄目だが、外国人は特定できればOKというルールを確認した。そして、今日は1問だけ例外的に外国人でもフルに答えてもらわないと正解にできない問題があると言われた。放映日は、エリザベス2世の誕生日。私は「4月21日は現在のイギリス女王の誕生日ですが、誰でしょう?」という問題が出ると確信した。しかし、結局、そんな超有名人の誕生日が出題されることはなかった。
スタジオに入場すると、既に盟友の北村栄弁護士をはじめ、事務局、知人・友人、両親と妻ほか一族郎党ら総勢14人が応援席に座ってくれていた。ちなみに私以外の出場者の応援は、青の人の妻1人だけで、あとは、さくらのおばさんたちだった。
リハーサル開始。練習問題を数問やった。絶好調。かのディレクターと私のやり取りは会場を爆笑の渦に巻き込み、「吉本の方ですか?」と突っ込まれてしまった。オープン戦優勝!という感じだった。

序盤の失敗

しかし、本番に入ると、今年の阪神の開幕のようなわけにはいかなかった。
第1問は、新しい優勝旅行先からの映像問題。「ロワール地方でワインの貯蔵庫として使われる独特の物は?」この問題だけは、間違えてもペナルティは無いことになっている。とにかく答えなきゃ損々。私「物置」不正解。続いて、白「洞窟」正解。
読み上げ問題開始。「昭和9年4月21日、東京の渋谷駅前で…」青「ハチ公」正解。私も分かったが、押し遅れた。
以下、解答のみ。赤「シャーロット・ブロンテ」。青がブラジルの首都でお手付き。白「若山牧水」「足摺岬」。
1問も正解できないまま、5枚のパネルが埋まり、コマーシャル前の出場者紹介。赤は主婦(35歳)、白も主婦(40歳)、青は会社員(41歳)。私は、「名古屋南部法律事務所弁護士」趣味は「将棋」と紹介してもらい、将棋を指す手つきをした。しかし、これはディレクターから「さっきのフォークボールのポーズ、良かったですね」と言われ、ずっこけた。
再開後は、私が得意な漢字問題。だが、あっという間に、赤に「景気」と答えられてしまった。
続いて、5つの映像ヒントで「さて何でしょう」と問う恒例のクイズ。私は、品種の「金時」に飛び付いてしまい「小豆!」児玉さん「そっちに行ってしまったか。」ブー。ペナルティとして、これから2問は解答権が無く、立たされる。痛恨の初お手付き。正解は何と「ニンジン」。しかし皆さん、金時と言われれば小豆だと思いませんか。私は帰宅してから、広辞苑で「金時」を引いてみましたが、語義の一つに「小豆の種類」とはあっても、ニンジンの種類とは書いてありませんでした。広辞苑レベルの知識でも不足なのか!私が絵に描いたように罠にはまったのを見てビビったのか、他の3人は、この後、妙に慎重になった。
私が立っている間、青「原由子」。
応援団共々、絶望のどん底に叩き落とされたまま、次問で復帰。白「ラング・ド・シャ」。

中盤の快進撃

パネルは、白5枚・赤3枚と女性に埋め尽くされ、次の問題。「虚弱な劣等生が、どのようにして弁護士になったのか。弁護士中坊公平の自叙…」ここまで聞いて、迷わず解答ボタンを押した。「金ではなく鉄として」初正解。ここから私の快進撃が始まった。しかし、私に向けたサービス問題かと思われるのは、結局この1問だけだった。「将棋」のしの字も聞かせてもらえなかった。
赤「ロシア」。サッカーのワールドカップの問題まで、女性に早押しで負けてしまった。さらに続けて、赤「さぬき市」。
次「このほど、アメリカの経済誌フォーブスが発表した2002年版世界長者番付で、8年連続1位となったのは…」私「ビル・ゲイツ」正解。こんな易しい問題に他の3人がボタンを押せなかったのは、何か落とし穴があると勘ぐったからかも知れない。私は、赤の1枚を挟んで左下隅を取り、3枚になった。
連続して、「葉っぱの一生から命の大切さを語り、ベストセラーとなった…」私、一瞬躊躇したが、思い切って「葉っぱのフレディ」正解。慎重を期して問題を最後まで聞けば、CDで朗読をした「森繁久弥」が実は正解だったという事態もあり得たところである。ここは、私の攻めの姿勢が功を奏した。そして、赤の3枚を中段の横一線に挟んでパネル7枚に躍進し、ついにトップに立った!
青、地階のBは何の略かで、2回目のお手付き。赤「コンタクト」。
そして、次の問題「園内にある池を中心に、築山や石などで東海道53次が表現されている、熊本藩主細川…」私「水前寺公園!」たぶん、これは大向こうを唸らせることができた。赤の1枚を挟んで右下隅も取り、8枚になった。赤は5枚、白は2枚、青は0枚。パネルのほぼ下半分が私の勢力下になるという大優勢を築いてしまった。このまま勝てるのではないかと楽観した。結果的には、この瞬間が私の全盛期だった。〈教訓その2、出る杭は打たれる。〉

終盤の失速

赤「キャベツ」、青「プロコフィエフ」、白「カシコギ」、そんなの初耳だ。そして長岡市があるのは、青「新潟県」。これは押し負けた。しかし、依然トップを維持。
ここで、私は、またも、同様の過ちを繰り返した。「建造物で、ロックフィル、アーチ、重力などの種類があるのは何でしょう?」「アーチ」に飛び付いた。私「橋」チャッチャチャラーン、パパパパー、ワッ。正解は、「ダム」。〈教訓その3、事件を大切にしよう。〉私は、この時ほど、徳山ダム裁判弁護団に参加しなかったのを後悔したことは無い。実は、さっきの「水前寺公園」を速答できたのも、事件で熊本に長年通っていて、ついでに立ち寄ったことが有ったからにほかならない。逆に、私が作った予想問題は、ことごとく裏切られたのである。〈教訓その4、付け焼き刃の知識は役に立たない。〉
再び立たされての1問目。「厚生年金と国民年金の受給日は、通常、偶数月の何日と決められているでしょう?」3人とも答えられず。2問目は青「吉田」。しかし、さっき誰も答えられなかったおかげで、「アタックチャンス」前に戦線に復帰することができた。これは、パネル21枚目の問題の特例として、1枚取った上に、誰かの1枚を消せるというもので、参加できないのは痛い。助かった。私は左下と右下の隅を含む7枚で、まだトップ。次いで、青6枚、赤5枚、白2枚。ここからが勝負だ。

最終問題の大決戦

けれども、せっかくの「アタックチャンス」は取ることができなかった。白「條ウル神古墳」。私の左下隅を消されたが、まだ6枚でトップ。しかし、ここから白の大逆転劇が始まる。白「フレーベル」。
青「順光」、赤「飛ぶ鳥」と連続して押し負けた。ここで青にトップを奪われた。
ラス前の問題。今度は、赤が「ユニコーン」を正解して、トップに立つ。
私はジリ貧に陥ったまま、最後の25枚目のパネルを争う最終の問題になった。何と、この最後の問題に正解した人が優勝(私は優勝同点)という稀に見る接戦となった。後で、ディレクターは、「シナリオを書いても、こんな面白い展開にはできませんよ。」と大喜びだった。放映日のテレビ欄には、「興奮!誰もが勝てる」という副題が付いた。
そして、運命の最終問題「父はペレウス、母はテディス。かかとを射られて死んだという…」(アキレスだ!)ボタンを押した。しかし、白の女性のボタンの方が一瞬早かった。終わった。
〈教訓その5、両親を大切にしよう。〉私に同情的に見て下さった方は、惜敗と思われたかも知れない。けれども、本当は「かかとを」まで聞いてからボタンを押したのでは手遅れなのである。もしも、私がアキレスの両親の名前を暗記していれば、間違いなく勝てたことになる。ギリシャ・ローマ神話が、クイズの頻出分野であることは、物の本によって百も承知だった。新刊の「TVクイズ番組攻略マニュアル」57頁には「神話は親族関係があるものが多いですから、相関図を書くと頭に入りやすいでしょう。」との、実に的確なアドバイスがあったのだが、系図が載った書籍が見当たらず、この分野の勉強を断念したことが悔やまれる。私が親孝行をしていない報いを受けたのではないかと思った。

大団円

最終成績は、白10枚、赤6枚、私5枚、青4枚。白の女性の大逆転優勝だった。この瞬間は、自分でも不思議なほど悔しさは無かった。応援団プラスα以外の大方の視聴者には、喜ばしい結果になったと思う。番組としては、ハッピーエンドで良かったのではないかとも思った。中盤トップに立ったため、私自身錯覚に陥っていたが、そもそも、振り返ってみれば、私は結局、正解4問と、お手付き2問であった。この成績で優勝を望んだら、おこがましいというものだろう。左右両下隅のパネル5枚が残り、賞金5万円を獲得できたことで満足すべきではないか。
コマーシャル中断後に、優勝者の海外旅行をかけたフィルムクイズになる。私は、応援のいない隣の白の女性に、心から「頑張って下さいね」と声をかけた。ここまでは、誰かが得をすれば誰かが損をするという典型的なゼロサムゲームだったが、勝負がついた後のこの時には、心は白の女性の応援団になっていた。
問題「ある建造物の名前をお当ていただきます」のフィルムクイズがスタート。私にしては珍しく、映画を見た事があったので、三島由紀夫の本が見えたところで正解が分かった。白「鹿鳴館」正解。私も思わず大きく頷き、拍手してしまった。

収録が終わって

誰も答えられなかったため、放映ではカットされた(こういう事がけっこう起きるので、たった30分の番組の収録に実際は1時間以上かかるのです。)が、今回のベストの問題は「現在のプロ野球12球団の監督で、60歳以上の人は2人だけです。横浜の森祇晶監督と、あと一人は誰でしょう。」というものだったと私は思う。正解は「王貞治」(61歳)。見事に盲点を付かれた。しかし、収録後の打ち上げで、妻に手痛い指摘を受けた。「ついこの前のクイズ番組で、最も若い監督は?、原辰徳という問題が出たでしょう。その時、逆に、高齢の監督は誰かチェックしておいたら?と言ったはずよ。」私は、大阪へ向かう新幹線の中で「プロ野球手帳」を見て、12球団の監督の名前は頭に入れ直してあった。しかし、そのような観点では見ていなかった。〈教訓その6、妻の意見には耳を傾けよう。〉

それにしても、児玉さんは格好良かったし、沢木さんは華麗だった。妻の兄の婚約者の母は、児玉さんの大ファンで、本物を見たいという思いもあって、私の応援団に加わってくれたほどである。私の妻と共に、児玉さんから真心のこもった色紙を書いていただき、幸福感に浸っていた。

さて、番組の規定により、「弁護士大会」など特別な回が開催されない限り、私は放映後5年間は再出場できません。リベンジするとしても、その後になってしまいます。私が正解することができた僅か4問を、全部早押しで取れたと思う方は、私以上の成績をあげることが可能だった理屈になります。

どなたか、自信と勇気のある方、私の敵討ちに挑んでいただけませんか?

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