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文化コーナー−書評

【04.08.01】密室の取り調べ批判「刑事裁判の心」木谷明

弁護士 金岡繁裕

既に幾つも書評が出されている話題書であり今更の観はあるが、良書なので紹介する。

著者は、平成12年まで約40年弱、ほぼ一貫して刑事裁判を担当された裁判官である。「事実認定適正化の方策」というやや厳めしい副題の付された本書は、そのとおり、著者が長年に亘り直面された問題−如何にして正しく事実を認定するか−に取り組まれたその足跡でもある。

内容の紹介であるが、元裁判官が書かれたものとしては比類なく刺激的であり、例えば要旨次の如きである。

1,神ならぬ人間には万全の事実認定は難しい。2,何より不幸な事は冤罪の発生である。3,被告人側の提起する疑問点には正面から取り組み、解消出来ないために有罪判決を“説得的に”説明する事が出来ない場合は躊躇なく無罪とすべきである…。

裁判を人間が行う以上、このように限界を直視する事は当然であるが、そのことをこれほどはっきり認めた裁判官は寡聞にして知らない。

また、冤罪の温床である密室での取調べを批判し、捜査側と被告人との言い分が対立し、どちらが正しいとも決め手を欠く場合、取調べをテープ録音したりビデオ録画する動きを進めるためにも、捜査側に不利な判断をすべき、ともされる。極めて示唆的な提言である。

本書は専門書ではあるが、序章と1章第1節までは極めて平易に書かれており、一般の方にも十分読みこなせると思う。
関心が進み、後半部分、著者自身の裁判例と審理の過程までご覧頂くと、著者の姿勢が更に良く分かる。

事件処理のための拾い読みが日常化しつつある中で、一気呵成に読んだ良書であった。

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