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マツヤデンキ小池裁判勝訴判決が確定!

マツヤデンキ小池裁判勝訴判決が確定!

 最高裁判所第一小法廷(宮川光治裁判長)は、2011年7月21日、国の上告受理申立を受理しない決定をしました。これによって、小池さんの名古屋高等裁判所の勝訴判決が確定しました。

障がい者である小池さんの死は過労死

 マツヤデンキ小池裁判は、マツヤデンキで働いていた小池勝則さんの死亡が過労死であり、労災であることの認定を求めて国を相手にして起こした裁判です。小池さんは心臓に障害があり、障がい者3級の認定を受けていました。マツヤデンキには障がい者として雇用されていました。しかし、2000年12月末頃に亡くなっていました。

裁判の経過

 配偶者であった小池友子さんは、豊橋労働基準監督署長に労災申請しました。しかし、労災と認められませんでした。そこで訴訟を提起したのです。
 名古屋地方裁判所は、小池さんの訴えを認めませんでした。しかし、名古屋高等裁判所は、2010年4月に、1審の判決を取消し、小池勝則さんの死亡を労災と認める小池友子さんの訴えを認める判決を下したのです。国は、この高等裁判所に不服として、最高裁判所に上告受理の申立をしました。しかし、今回最高裁判所は、この申立を退けたのです。

最高裁の決定の意義

 この間、国は過労死の行政裁判について、高等裁判所の敗訴の場合には慎重に上告するかどうかを考えてきました。上告受理申立をして最高裁判所が新たな判断を示すと労働行政に大きな影響が出るからです。その中で、本件は、国がおよそ10年ぶりに最高裁判所に上告受理申立をした事件でしたので、その判断が注目されていました。
 高等裁判所の判決は、業務起因性を認めるために必要とされる相当因果関係の判断に際して「少なくとも、身体障害者であることを前提として業務に従事させた場合に、その障害とされている基礎疾患が悪化して災害が発生した場合には、その業務起因性の判断基準は、当該労働者が基準となるというべきである。」とする判断を示していました。
 この判決について、最高裁判所は、上告受理の理由はないとして何の判断も示さず高裁の判断を維持しました。高等裁判所の法律判断に間違ったところはないという判断です。この高裁の判決が確定した意義は極めて大きいものです。
 特に障がいを持つ方の働く権利を守る判決になることでしょう。

お疲れ様でした

 小池友子さん、ながいたたかい、本当にお疲れ様でした。勝則さんによい報告ができますね。



弁護団 名古屋共同法律事務所      森  弘典(主任) 
      水野幹男法律事務所       水野 幹男   
      弁護士法人名古屋南部法律事務所 岩井 羊一


文責 岩井 羊一

参考

 名古屋高裁判決は、労働判例という雑誌の1006号5頁に掲載されています。また、この判決の意義については森弘典弁護士が、労働法律旬報1725号20頁以下に論文を掲載しています。

声明を発表

 2011年7月26日、弁護団は声明を発表しました。

  声明

                            マツヤデンキ過労死事件弁護団

 最高裁判所(第一小法廷、宮川光治裁判長)は、株式会社マツヤデンキに勤めていた心臓機能に障害がある労働者(以下「被災労働者」という)が2000年(平成12年)12月24日に死亡した事件について、7月21日付けで国の上告受理申立てを受理しない決定をした。これにより、2010年(平成22年)4月16日、豊橋労働基準監督署長が業務外とした処分を取り消した名古屋高等裁判所(民事第3部は係、高田健一裁判長)の判決が確定した。
 同判決は、業務起因性を認めるために必要とされる相当因果関係の判断に際して、「憲法27条1項が『すべて国民は勤労の権利を有し、義務を負う。』と定め、国が身体障害者雇用促進法等により身体障害者の就労を積極的に援助し、企業もその協力を求められている時代にあっては、平均的労働者を基準とするのは誤りである」として、「少なくとも、身体障害者であることを前提として業務に従事させた場合に、その障害とされている基礎疾患が悪化して災害が発生した場合には、その業務起因性の判断基準は、当該労働者が基準となるというべきである」と判示し、明確に本人基準説に立っている。憲法27条1項の勤労の権利を踏まえ、労働安全衛生法、障害者雇用促進法の趣旨を貫徹したもので、極めて高く評価できる。
 これに対して、同年4月30日、国は上告受理を申し立てたが、最高裁判所は、自ら確立した判断要素((1)被災労働者の基礎疾患が確たる発症の危険因子がなくてもその自然の経過により脳・心臓疾患を発症させる寸前まで進行していたとは認められないこと、(2)被災労働者の従事した業務が同人の基礎疾患を自然の経過を超えて増悪させる要因となり得る負荷のある業務であったと認められること、(3)被災労働者には他に確たる発症因子があったことがうかがわれないこと)に従い判断して、上告を受理しなかったものである。
 2006年(平成18年)12月13日、国連総会で「障害のある人の権利に関する条約」(Convention on the Right of Persons with Disabilities)が採択され、2007年(平成19年)9月28日、日本は同条約に署名している。被災労働者が心臓機能に障害を有するものであることからすれば、被災労働者の労災認定においても、この条約が求める障害のある者に対する合理的配慮、すなわち、その障害に即した過重性判断がなされるべきであり、それは労働安全衛生法、障害者雇用促進法、障害者雇用対策基本方針で求められていることでもある。舛添要一元厚生労働大臣も、2008年(平成20年)12月18日、参議院厚生労働委員会で、「労災だけではなくて、障害者権利条約にあるようなどこまでの合理的配慮かというそれがまずあって、それに瑕疵があれば、じゃ労災というふうなつながり方になると思う」「合理的配慮を超える場合は国がやるというような制度も考えられると思いますので、今後の検討課題としたいと思います」と答弁している。
 当弁護団は、厚生労働省、愛知労働局長、豊橋労働基準監督署長が本判決を真摯に受け止めるよう強く求めるとともに、国に対して、脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準、精神障害等に係る業務上外の判断指針を抜本的に改め、過労死の認定行政を抜本的に見直し、二度と同様の労災を引き起こさないよう過労死等防止基本法を制定することを求める。                     

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