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事件紹介

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60歳後の雇用の継続へ(蟹江雇用継続拒否無効事件・高齢者雇用安定法第9条事件)

(1)事案

大石梱包会社は、かつてSさんの不当な解雇を強行したトヨタ関連の運送会社。最近では労働組合(建交労)を通して未払いの割増賃金を従業員に対して約二千数百万円を支払わせたYさんを不当にも解雇し、さらに日系労働者6人に対して雇い止めを強行したワンマン社長の会社で、本件はYさんを支援してきた蟹江さん(60歳)をリーマンショック等を口実に、雇用延長を拒否してきた事件です。

(2)会社の言い分

会社の主な言い分は会社の雇用継続基準「(1)在職中に懲戒処分の辞令がないこと、(2)健康診断の結果、業務遂行に問題がないと認められること、(3)売上減少による余剰人員がないこと」に該当しないということでした。しかし、実態は、組合員だから拒否したもので、上記(1)(2)は事実に反し、(3)は高齢者雇用安定法の規定に沿いません。そこで、蟹江さんは仮処分の申請をしました。

(3)勝訴決定

本年、8月2日、名古屋地方裁判所(田近年則裁判官)は、蟹江さんの言い分を全面的に認めて勝訴決定を出しました。

裁判所は上記(1)について、無事故手当の不支給は懲戒処分ではない、(2)について、夜間就労が望ましくないとの診断書で健康上問題があるとすることは出来ない、(3)については、本来、法が想定しているのは、「主として労働者の意欲、能力を測るもの」で、人員余剰状態になっていないかどうかといった基準を含めることは本来想定されておらず、「業務量によって一応判定されうると言えなくはないけれども、そうした業務量自体、景気等による経営環境などによっても容易に変動しうるものであり、基準としての客観性に疑問がある」として、雇用安定法の趣旨からすると、「雇用期間の定めのない正規雇用の従業員に準じた法的保護が要請されるべきであり、事業主において経営状態の悪化による業務量の減少を理由として継続雇用を拒否することは、いわゆる整理解雇を可能とする事情がある場合でない限り」許されないとして、会社の主張を退けました。

(4)「基準」の濫用を許さないとりくみ

ところで、一見もっともらしい体裁を取る「雇用継続基準」が組合差別の口実に使われ兼ねない現状を考慮すると、基準の厳格な定めと運用が必要です。

たとえば、上記懲戒処分の中には訓告、戒告なども含まれ、これらが現場において軽微な事案についても対象とされていることを考えると、直ちに懲戒処分の存在を継続雇用拒否の基準とするのは不当です。また、過去5年間に欠勤がなかった等との基準も、病欠でも有給休暇処理による対応を強要することになり、少なくとも、通常の疾病は除外することを検討すべきです。取引上客先との「クレーム」「出入り禁止」を基準としているところがありますが、昨今の事情からすると、無理な取引先の申し出があることも見逃すことが出来ません。こうしたことは重要な今後の課題です。

(5)高齢者雇用の安定的実現に向けて

会社は、仮処分に対し、異議を申し立てましたが、これも既に結審して決定を待つばかりとなっています。労働組合も不当な会社の対応を許さず、高齢者雇用の安定的実現に向けて団体交渉など行っています。

(担当 永井敦史・竹内平。異議審から川津聡)

弁護士 竹内 平

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