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事件紹介

事件紹介−事件紹介

江戸時代から続く300年来の里地の保全、「野田農場」事件のご報告

(1)「野田農場」事件とは

  野田家は1700年頃から続く農家です。名古屋市守山区中志段味に、約1・1haの農地が点在していて、その野田家の農地の総称が「野田農場」です。野田農場は、近隣の農地とともに、中志段味に、江戸時代から続く里地の風景をつくってきました。

ところが、その中志段味で土地区画整理事業が始まりました。2m盛土の上、宅地として造成されて、野田農場全体の減歩率(面積の減少率)は平均50%超となる計画です。

(2)訴訟提起とその経過

このため、野田さんは、2008年末、仮換地指定処分の効力停止(仮処分)と取消(本訴)を求める裁判を提起しました。農家としての野田農場を守るだけでなく、名古屋に残された貴重な自然を守るための裁判です。

このうち効力停止の裁判は、2009年3月30日に決定が下され、結論としては申立は却下されたものの、野田さんに仮換地処分により農業継続が困難になるという重大な損害が発生すると明言されました。

この裁判所の判断は組合に衝撃を与えたようで、本訴において、(1)野田農場の換地先を現在のビニールハウスを中心とする野田農場のコアエリア周辺に変更すること、(2)2mの盛土を伴う宅地造成工事を行わないこと、(3)減歩率を緩和すること、(4)中志段味の名古屋市の所有地の活用を野田家・組合共同でお願いし、野田家所有のビニールハウス周辺の環境保全が可能となる事業計画の変更を行うこと、などの方向で和解を進めることになり、裁判所外で、野田家・組合に名古屋市を加えた三者協議を持つ運びとなりました。

(3)三者協議と合意の成立

三者協議は実に12回に及び、将来の営農が可能となる減歩率、取水の確保、日照の確保などについて真剣に協議されました。

その結果、本年4月28日、前記(1)〜(3)について、野田家も納得できる形で、組合との合意が成立しました。また、(4)についても、名古屋市が野田農場周辺に約1haの土地を確保し、関係者や市民の参加の下、当地の自然環境をできる限り保全し、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催市として生物多様性を実感できる新しい形態の都市の自然地域づくりを進めていくことが表明されました。名古屋市や組合が、地産地消・生物多様性・食農教育の現場など都市農業を可能性を認めた結果だと言えます。

(4)本件の成果と今後の課題

土地区画整理事業において、自治体の協力の下、農地および自然環境が保全される運びとなったのは、おそらく例のないことであり、大きな成果です。

しかし、現在の到達点は、野田農場に確保された約0・8haと隣接する名古屋市の約1haについて、なるべく現状を保全することが決まったというにすぎません。野田農場と名古屋市所有地の区画割りや農道、水路の引き方などの具体的問題については、今後設置される作業グループの課題とされました。名古屋市所有地の具体的活用方法も未定です。環境の世紀とも言われる21世紀における都市の開発のあり方として、今後のモデルケースとなるよう、推移を注視したいと考えています。

弁護士 濱嶌将周

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